第4回「分子アーキテクトニクス」研究会へのいざない

「分子エレクトロニクス」という言葉が使われるようになってから40年が経ってしまいました。1970年代には評価・計測技術が十分でなく、また理論的な取り組みも未だ未成熟であったため、当初の「分子エレクトロニクス」研究には基礎科学面に弱さがあったと言えます。しかし、最近の10年の計測・評価技術の進展や理論、計算シミュレーションの進展には目みはるものがあり、もはや弱点を克服したといって過言でないように思えます。今後は、これらの成果を背景に、単純な分子に留まる事なく、より複雑な分子もターゲットとし、化学の強みを十分に活かした材料研究を展開し、「分子エレクトロニクス」がどの程度、またどの様に実現可能か、それを見極める事が重要になって来ると考えています。単分子、単分子膜を基礎としてそれらのネットワーク階層構造をいかにつくり、またその評価・計測をいかに実現するかという事が次の課題と言えると思います。単分子性能をフルに活かしたネットワーク階層構造の物理と化学を研究するという意味合いと、「分子エレクトロニクス」研究の新たなステージへの展開に対する期待を込めて、このような研究を「分子アーキテクトニクス研究」と名付け、研究会を立ち上げました。対象とする材料の個々の構成要素のサイズは非常に小さく、揺らぎや、バラツキの影響が非常に大きいと考えられますが、それらを乗り越えるための科学と技術の研究も、情報科学分野の方々との交流を通じて行っていきたいと思っております。

こういったモチベーションを背景に立ち上げた研究会ですが、興味を持って頂ける方に広く門戸を開いた研究会としたいと思いますので、奮ってご参加をお願い致します。

研究会準備委員会代表 浅井美博

第4回分子アーキテクトニクス研究会 2014/3/11-12@東京のご案内